Midwinter Pottery

ミッドウィンター(Midwinter)は、1910年にストーク=オン=トレント(イングランドのミッドランド西部)のバーズレムでウィリアム・ロビンソン・ミッドウィンター(William Robinson Midwinter)によってWR Midwinter社として設立され、1930年代後半までに700人以上の従業員を擁するイギリス最大の陶器メーカーの1つになりました。

1950年代になるとジェシー・テイト(Jessie Tait)、テレンス・コンラン(Terence Conran)、ヒュー・カッソン(Hugh Casson)、ジョン・ラッセル(John Russell)、ピーター・スコット(Peter Scott)などによる先進的なデザインが人気を博し1950~60年代の同社の陶器は代表作を多く生み出します。この時期の製品は今日でも人気があり収集家の間で人気があります。

その後会社は開発コストがかさみ経営が悪化、最終的にウェッジウッド社に吸収されミッドウィンター社の名前は1987年に消滅したものの、1997年に英ヴィクトリア&アルバート美術館に作品が展示されたことによりプロダクトやデザイン性が再評価されることになります。

こうした経緯から現行品のミッドウィンター製品はなく入手するならヴィンテージ品を探すしかありません。現在のところヴィンテージ品としては値ごろ感がありますが、年々状態の良いものは減っていくことが予想されますので徐々に値段が上がっていくと思われます。

Queensberry by David Queensberry

Queensberry
デビッド・クイーンズベリー

デザイナー本人の名前を冠したオリーブ、グレー、ブラックの異なる幅のストライプ模様。最も成功した柄の1つです。西洋のデザインながら日本の食卓にも調和する柄が魅力的です。

Zambesi by Jessie Tait

Zambesi
ジェシー・テイト

民族模様にインスパイアされた赤と黒のハンドペイント柄。赤・白・黒という強いコントラストを持ちながら全体として調和がとれているデザインは派手でありながら落ち着きも感じられる柄です。

Roselle by Eve Midwinter

Roselle
イヴ・ミッドウィンター

青と緑の花を反転させたボーダーパターンはイヴ・ミッドウィンターの2つ目にデザインした柄です。ソーサーが青一色の初期物と、カップと同じ花柄の後期物が存在します。北欧デザインにも通ずる温かみのあるレトロな王道の花柄パターンです。